イヤでイヤで仕方がなかった路上。
ついに出ました。
しかも夜だったので、周りの車のスピードの速いこと……。
ビビッて30キロ台で走ってたら教官からもっとアクセル踏むよう言われました。
本当に怖かったですね。
そんなのは序の口で。
ウィンカー出し忘れるわ、信号見落とすわ、右折できないわ
散々でした。
第一段階が懐かしい。
あれだって難しいと感じていたけれど、
しょせんは教習所内をぐるぐる回っているだけ。
第二段階はなんといっても実戦です。
普通に人轢いたらどうしよう
追突しちゃったらどうしよう。
内心泣きながら運転していました。
もし十代だったら本当に泣いていたと思います。
38歳で良かった。
この歳で免許を取る意味、それは人前で涙を見せないでいられたこと……。
あれは「危険予測」だったか、
教習生何人かを乗せて走っていた時でした。
信号待ちのときいつものように教官から指導が入り
イラストを見せられたりしていて、
ふと顔を上げたら、
おじいさんが目の前の横断歩道に倒れていました。
「なんかぶつかったみたいです」
と他の教習生が言うのです。
運転していたおばさんが出てきて
「ごめんね。ごめんね」
と泣き叫んでいます。
別の歩行者がおじいさんを介抱していました。
え、
え??
こっちはパニック状態です。
どうしたらいいんですかこれ。
教官に聞いたら、そのまま行っちゃってくださいとのこと。
言われた通りに走り去りましたが、
おばさんの泣き叫ぶ声
ごめんね。ごめんね。
これは今でも耳にこびりついて忘れられません。
しばらくすると救急車が通り過ぎました。
さっきの人のところに行くんだな。
そう思うともう教習どころじゃない。
帰りたい無理ですもう帰る帰らせてください
マジで泣くと思いました。
このとき、免許取っても絶対運転しないと心に決めたのでした。
そんなハプニングもありつつ、
右折は相変わらず出来ないまま、
みきわめではまた3回やりなおし、
教習期限の前日ギリギリで合格をもらい、
満を持して卒検!
……の予定がまさかのインフルにかかり、
2週間も空いてから卒検挑戦でした。
結果はなんと一発合格!
仮免といい、本番には強い?
まじで右折出来てなかったけどね。
対向車がいてどうしていいかわからなくて止まってたら
教官から「今!早く出ないと!」って言われて慌てて交差点出たけど。
合格は合格!
嬉しさよりもこれでもう車の運転しなくていいんだという安堵感が上回りました。
その後受けた本試験も、アプリのおかげで一回で合格。
ようやく運転免許証を受け取ることが出来ました。
正直もう嬉しいとかは思わず、
いや時間かかりすぎやろ
という感じ。
23年7月に入校して免許取れたのは24年6月。
丸々一年かかったわけですね。
長かった……。
とっくに転職しており日々電動チャリで走り回る日々。
免許を取って意味があったのかと聞かれれば、まぁないんですけど。
それでもいい経験にはなったかな。
いつか、北海道のひたすらまっすぐつづく一本道とかなら運転してもいいかも。
ひまわり畑に吹くさわやかな風、助手席の犬。
そんな夢も選択肢の中の一つに出来ただけで満足というものです。