訪問介護の「家事援助」は
その名の通り利用者さん宅へ行って家事の支援をするお仕事です。
そんな家事援助には鉄のオキテがあります。
それは利用者さん家のやり方に従うこと。
掃除のやり方や洗濯物の干し方など
何から何まで「その家のやり方」があります。
ヘルパーはそれらをすべて覚えなくてはならないのです。
これは自分が思う「普通」との戦いでもあります。
例えば洗濯物。
みなさんはズボンを干すときどうやって干してますか?

そんなの○○に決まってんじゃん
この○○の中身は本当にどの家も違うんです!
ニゴモはズボンはズボンハンガーに干すが当たり前だと思っていました。
つかむところが二ヵ所ついてるアレですね。
でもそんなのはない家がほとんどです。
私は少数派だったのですね。
こうやって干したり
こうやって干したり
ピンチハンガーに干したり
いろいろです。
初めて入った家で
「適当に干してください」
と言われたので自分のやり方で干したら
「あーこれじゃ乾かないのよね~」
と言われ結局干し直したことがあります。
やはり誰にでもこだわりがあるようです。
お風呂掃除でも驚いたことがありました。
浴室を掃除した後、
「タオルで水滴をすべて拭き取ってください」
というご要望があったのです。

このびちょびちょを全部拭くってめちゃくちゃ大変じゃん!
それにどうせ数時間後風呂入ったら濡れるのに何の意味があるの?
アナタは風呂入った後拭いてないでしょ!
……などと思いましたが、これも鉄のオキテに従うほかありません。
この利用者さんがちょっと神経質な人なのかな~と思っていましたが、
その後、風呂掃除の後に水滴を拭く家庭は結構あることを知りました。
たまたまニゴモさんの家が拭いていなかったというだけで、
拭くのが当たり前の家ではこれが「普通」なのですね。
他にもその家のルールはいっぱいいっぱいあります。
何回かやれば自然に覚えるものですが、
「クーラーがかかっているのに窓を開ける」
など理不尽? な、
正直納得いかないルールも多々あり……。

冷気逃げるやん……?
記憶力よりも
いかに「自分の普通」を捨てられるかが
勝負になってくるような気がしています。


