介護は誰でもできる仕事?

訪問ヘルパー日記

最近某有名人が「介護は誰でもできる仕事だと思われているので給料が少ない」
などと発言し話題になりましたね。
確かに、なぜか介護は昔から「誰でもできる仕事と思われている」んじゃないかと感じます。

いやはや。
ニゴモさん自身が未経験から介護の仕事を始めたため、
なんとも返す言葉もございませんが……。

でも、
少なくとも「絶対できない人はいる」だろうなぁとは思います。

うちの会社が「訪問系」だからということもありますが……。
いわゆる「ゴミ屋敷」「汚部屋」の支援なんて、
無理な人は無理だと思います。

部屋中にコバエが飛んでるお家、
燃えるゴミ袋が溜まっているお家、
生ごみが床に落ちているお家、
ほこりと髪の毛と虫の死骸が積もっているお家

いろいろありますからね……。

自分自身、
「ここを? 掃除? するの? わたしが??」
と思いながら、
床のごみをゴミ袋に入れ
掃除機を(床が見えている部分だけ)かけ
洗濯物を干し
台所の大量の食器を洗い
排水溝のネットを変え……

どうにかもろもろ整えても、
次の週になったら元の汚部屋に戻っている。
リセットされるんです。
毎週毎週やってるのにちっともきれいにならない。
まさに賽の河原状態。
心折れそうになります。

なので仕事を始めるのは誰でもできても、
変な言い方ですが
「続け続ける」
のは誰でも出来ることではないんじゃないかと思います。

これは会社の人に聞いた話ですが、
絶対にゴミを捨てさせてくれないお家があり、
明らかに鼻をかんだ後のティッシュでも
捨てたらダメ、と言われる。
なのでそのお部屋はゴミであふれかえり、
利用者さんはゴミの隙間にスッポリはまるような形で暮らしているとのこと。

会社の人がこれならいいだろうと思って
空き缶なら捨てていいですかと聞いたそうですが、
空き缶もダメ。
どうしてだろうと思っていたら、
「歯が入っているかもしれないから」
って言われたと。
だからその利用者さんは大量の空き缶を一つ一つよく振って音がしないか確かめていたそうです。
あるとき、本当にカラカラと音がして
「入ってた」
と、その抜け落ちた歯を取り出しておられたそうな。

耐えられます?

私はその話を聞いたときゾッとしてそのお家にはゼッタイ行けない! と思いました。
ちょっと慣れているニゴモさんでさえそうなんだから、
「誰でもできるっしょ」
なんて言っている方に是非行ってみてもらいたいものです。

単純に介護技術だけの話はどうかというと、
何回かやれば自然に覚えるんじゃないの? みたいな空気感じますが。

いやいや!
覚えられませんて!!

おむつ交換だけする方の支援に新しく行き始めましたが、
二ヶ月近くたってようやく「分かってきた」っていう感じです。

利用者さんの状態のこともありますし、
その家のやり方でやらないといけないし、
使用する物品なんかも
何を使うか、どこにあるかなどいろいろあるので、
なかなか慣れなくて……。

前、ALSの方の支援にも何回か行かせてもらったことがありますが、
寝たきりで人工呼吸器の方の着替えは
難しくてとうとう覚えられませんでした。
文字盤を使ってのコミュニケーションも
申し訳ないですが読み取ることが出来ず……。
これは相当な経験が必要だなぁと感じました。

そもそも介護は
「自立支援」と「尊厳の保持」を理念として掲げてますから、
この二つを守りながら利用者さんの支援にあたるのは
やっぱりプロフェッショナルじゃないとできないことだと思います。

利用者さんの身体はひとりひとり違います。
麻痺があるとか片麻痺があるとか拘縮があるとか
褥瘡が出来やすいだとか
昔足の手術をしたから足が上がりにくいとか。
その人の身体に合わせたケアをし、
かつ、自分の腰だとか身体も守らなくちゃいけない。
同時にその方が歩んでこられた人生の重みも受け止めなくちゃならない。

大変な仕事だなぁと日々感じます。
介護は誰でもできる=簡単な仕事
と思っている人がいるのだとしたら、残念なことです。

ちなみにニゴモは、
こんなこと言っちゃいけないかもしれないけれど、
まだプロにはなれていないと感じています。
経験不足、力不足、知識不足、頭の回転不足……。
68歳まではこの仕事を続けるつもりでいますが、
何年たっても
「まだ修行中の身です!」
って言ってる気がします。

介護・福祉は奥が深くて底が見えません。
ニンゲン難しすぎます!
どうか政治家の皆さんに伝わりますように。
そしてあわよくば介護・福祉に携わる皆様の給料が上がりますように!